2015.06.01

フィカス・ウンベラータ

日差しが強くなってきているのと同時に梅雨も近づき、傘や日傘を持ち歩く季節になりますね。さて、皆さんは日傘が由来になっている植物があるのをご存じですか?今回はフィカス・ウンベラータについてお話したいと思います。

フィカス・ウンベラータ人気のゴムの木
インテリアグリーンとして人気の高いフィカス・ウンベラータ。お洒落なカフェやショップ、モデルルームやオフィス、インテリア雑誌でも良く目にします。あのナチュラルな雰囲気を好み、自分で育てている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ウンベラータの大きな特徴は、やはりハート型の葉。丸みのある大きな葉ですが、やわらかくて明るい緑色をしています。また、幹が白い為、白を基調としたナチュラルな空間やシンプルな空間、モダンな空間やカントリーな空間にも合います。スタイリッシュな樹形とその存在感はシンボルツリーにもなり、とてもコーディネートしやすい観葉植物です。

ウンベラータの名前umbellataは、ラテン語のumbella「日傘」に由来しています。その独特な樹形を指したもので、日差しから優しく守ってくれそうです。

花言葉は2つある?ウンベラータ小鉢
○「すこやか」
本当の花言葉は「すこやか」で、生命力旺盛で健やかに育ってくれるのでイメージにぴったりですね。ギフトとしてもメッセージ性があり、贈り物にするのも素敵ではないでしょうか。

○「永久の幸せ」、「夫婦愛」
ウンベラータの特徴であるハート型の葉が、幸せや愛情を象徴していることから幸運をイメージさせているようです。

新芽特徴は他にもある
新芽は赤茶色の突起のようなものが出てきて、赤茶色の葉から徐々に緑色へ変化します。この赤色は、日光の紫外線から身を守る役割や若葉を食べる害虫にも見えにくい色と言われています。

成長した大きな葉には、針の先でさしたような小さな点々が出てくるのも特徴のひとつ。枝を剪定する時や茎や葉を千切ると白く粘ついた乳液が出ます。この乳液は、昆虫の食害から身を守る、被食防御の役割になっていて、主にクワ科の植物に良く見られます。葉を切り落とす際は乳液が垂れる為、ティッシュや雑巾でしばらく押さえれば止まります。

ゴムの木はどの品種も丈夫で育てやすいものが多いですが、特にウンベラータは成長も早く、刈り込みに強いです。成長しすぎてしまったら思いきって剪定しても立派に成長します。例え害虫などで葉が全て落ちても、根が枯死さえしていなければ成長期には新葉を出す強さを持っています。

注意点とは
ウンベラータを管理するにあたり、樹形を綺麗に保つのは中々難しいです。美を追求する人間が努力をする様に、格好良く育てるには手間は付き物です。いくつか注意するべき事をあげます。

○寒さに弱い
秋から冬場の冷え込みには対策が必要です。自宅やオフィスでは、鉢をキャスター付きの鉢台にのせると、冷え込む日は窓際から遠ざけ、日中は窓際へ近づけるのに移動が楽になります。

○日照時間を多く
日照不足になると徒長や葉が黄色くなり落葉します。夏場の成長期から冬場も日当たりの良い場所に置く様にしましょう。日差しを浴びることで葉の色・つやも良くなります。

○害虫
特にハダニ・カイガラムシが良く発生します。床や家具がベタベタしていたら害虫の仕業です。乾燥・高温状態を好んで繁殖する為、葉水や洗浄を行い、カイガラムシは見つけ次第雑巾などで取り除きましょう。

○水やり
水分不足になると葉が下を向きます。冬場に水を与えすぎると根腐れの原因になるので乾燥気味にします。春・秋は土の表面が乾いたら与えますが、夏場の成長期には特に水分を必要とする為、土の表面が乾く少し前に与えます。

フィカス・ウンベラータ上記の通り、フィカス・ウンベラータはデリケートな面もありますが、根さえ枯らさなければ、冬に葉を痛めて葉落してしまっても春先には芽吹き、再生しやすいのが最大の魅力ではないでしょうか。インテリアグリーンとして観賞するのも良いですが、観賞だけではなく自分好みに育てたいと思う方にはお薦めの植物です。