2018.01.01

初夢。

新松田~開成冬晴れの朝。駅へ向かう途中。ふと丹沢の山並へ眼を向ける。雪で化粧した富士山が、ほんの少しだけ顔をのぞかせている。

新松田~渋沢富士は日本一の山。日本に名峰数あれど、標高はもちろんのこと、やはり富士山が最高峰。名峰中の名峰。旅先で、通勤通学途中で、仕事先で…富士山が見えて心浮き立つのは、きっと私だけではあるまい。

もし、東海道新幹線に乗ったのであれば、新富士あたり。車窓に映るその山容に車内はひととき華やぐ。気づけば海側の席の乗客たちも「どれどれ…」といった具合に覗き込んでいる。富士は、やはり特別・格別な山なんだな…と、つくづく実感する。

新松田~渋沢…さて、初夢に見ると縁起が良いとされるものは、”一富士(いちふじ)二鷹(にたか)三茄子(さんなすび)”とされているのはご存知のことと思う。

なぜ一富士二鷹三茄子なのか(*ちなみに、四番目、五番目、六番目もあるそうな)。話が長くなるので、鷹と茄子については割愛。縁起物を二つも割愛するのは心苦しいけれど、御容赦を。一番が富士山である起源については、「徳川家康が好んだことから」「富士は日本一の山」「富士は”無事”」など、これまた諸説ありそうだ。

渋沢~秦野富士山が縁起物とされるわけは、その山名の由来にも理由があると思っている。そもそも、どうして”富士”になったのか。奈良時代の「常陸国風土記」中の“福慈岳”と書かれているものが富士山についての最も古い記録とされる。やや後の「万葉集」では”不尽山” “不士能高嶺” “布二能嶺”の名で登場し、”富士”と書かれるのは平安時代初期編さんの「続日本紀(しょくにほんぎ)」あたりが最初だとか。竹取物語や、不老不死の徐福伝説、朝鮮語、アイヌ語、マレー語を語源とする説などもある。つまり、けっこう謎だらけなわけだ。まぁ富士山だけでなく、山名や地名の由来とはそういうものだけれど。

新松田~渋沢私自身は竹取物語の説が好きだ。物語の終章には、「帝(みかど)が家臣にかぐや姫から授けられた不老不死の薬を駿河国にある天に一番近い日本で一番高い山の頂で燃やすよう命じる」というくだりがあり、「つわもの(武士あるいは兵士)をたくさん連れて登ったので、士に富む山、”富士の山”と名付けた」「そこで不死の薬を燃やしたので”ふしの山(不死の山)”つまり”富士山”となった」とある。

新松田~渋沢不老不死の山とはなんとも縁起がよい。かぐや姫の「竹取物語」にその語源があるというのが、なんとも甘美で情緒があるではないか。

初夢とは、いつ見た夢のことなのだろうか。調べると「大晦日の夜から元日の朝かけて見る夢」「正月元日の夜に見る夢」「正月二日の夜に見る夢」などとあるけれど、現在では新しい年を迎え最初に眠った日の夜に見た夢、つまり元日の夜から二日にかけて見た夢のことを言うのが一般的のようだ。

新松田~渋沢

では…今宵の夢があなたにとって最高の初夢でありますように。そして良い一年でありますように。きっと、かぐやが月の都であなたのことをそう祈っていますよ。

ところで…

「植物を扱っている会社のコラムであれば”富士”でなく、”茄子”を題材にすべきでしょ!?」と思っているあなた。いやいや、富士山もちゃんと植物に繋がっていますよ。

新松田~渋沢

  …なぜならば、富士山の別名は”芙蓉峰(ふようほう)”なのだから。