- 2008.05.01
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本来の姿
数ヶ月前のコラムで、「鉢植えにされている観葉植物は本来の姿ではない」と書いたと思います。全ての観葉植物に当てはまることではありませんが、大鉢サイズの物は特にそのように言えると思います。では、本来の姿はどういう姿をしているのでしょう?
日本では、沖縄諸島・八重山諸島・小笠原諸島などの熱帯・亜熱帯気候に属している地域でしか、屋外で地面に根を張って生きている姿は見ることができません。それ以外の地域では冬の気温が低いため、生育することができなくなるからです。
皆さんになじみのある「ポトス」。有名な観葉植物のひとつなので目にする事も多いとは思いますが、観葉植物として置かれているポトスの姿は謂わば子供の姿。横の写真はサイパンで撮った写真なのですが、葉っぱ一枚の大きさは人の顔より大きいです。また、このくらいの大きさの葉になると、葉に切れ込みが入ってきます。私自身、実物はもちろん写真も見た事がありませんが、花も咲きます。
余談ですがポトスの葉は、上に這わせていった場合は上に行くほど大きな葉になり、下に垂らした場合は下に行くほど小さくなるそうです。次は、ご存知の方もいるかもしれませんが「タビビトノキ」。この写真はグアムでの写真ですが、樹高は10mほどでしょうか。まだまだ大きな木はたくさんあります。鉢植えの状態の物は「幹」のような部分はありませんが、大きくなると下の方がしっかりと幹になっています。
「タビビトノキ」の名前の由来として、有名な説として2つの説があります。2方向に広がった葉が方角を示すことから、旅人がその葉を頼りに方角を知ることができたという説。もう一つは、キレイに扇状に広がった葉の付け根に溜まった雨水を飲むことによって、旅人が渇いた喉を潤したという説。どちらの説も、鉢植えの状態では想像できませんね。ちなみに英名でも「traveler’s tree」と言います。
南の島に行く際は、普段見ている観葉植物たちの本来の姿も見てみてください。
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