- 2008.06.01
-
「屋久杉」
九州の南にあり、鹿児島県に属する「屋久島」。その屋久島に自生し、樹齢1000年以上の杉のことを「屋久杉」と呼びます。杉の寿命は一般的に300年程と言われていますが、屋久杉はなぜ1000年以上も生き続けることができるのでしょうか。
一番の理由は屋久島の自然環境にあります。屋久島は大部分が花崗岩でできており栄養分が非常に少ないため、植物の成長が極端に遅くなります。そのため年輪の幅が緻密になり、樹脂分を多く含んだものになります。この樹脂には防腐・防虫・抗菌効果があるため、長い年月の間生きていることができると言われています。
屋久杉のなかでも有名な「縄文杉」。様々な説がありますが、樹齢は7200年とも言われています。樹高は約30m、幹周は約16mという巨木です。標高1300メートル地点で40年ほど前に発見されました。その縄文杉を見るためには往復10時間ほどかけてトロッコ道や山道を歩く必要があります。
その他「翁杉(おきなすぎ)」・「大王杉」・「弥生杉」・「紀元杉」など、いずれも樹齢2000年以上の屋久杉たちです。まさに「巨木の島」です。目の前でその杉たちを見ると迫力に圧倒され、感動を覚えます。そして不思議なパワーをもらえる気がします。
屋久島には現在、樹齢1000年以上の屋久杉が数千本あると言われています。多いように感じるかもしれませんが、江戸時代に始まり太平洋戦争後の高度成長期までの間、数万本もの屋久杉が伐採されていました。当時は数万本の屋久杉があったということになります。現在は屋久杉の伐採は禁止されています。お土産として売られている屋久杉は、伐採されていた当時に曲がっているなどの理由で捨てられた屋久杉の一部やその切り株、台風などにより折れた枝や木が土に埋もれた物を「土埋木(どまいぼく)」と言い、その土埋木を加工して作られています。
樹齢1000年未満の杉は「小杉」、自生ではなく植林された杉は「地杉」と呼ばれています。樹齢900年でも小杉です。屋久杉のスケールの大きさは計り知れません。