- 2012.08.01
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植物の持つ効果
太陽が照りつけ、入道雲が空を大きく覆う8月。今年の夏は昨年よりも暑くなり、猛暑になるそうですね。この暑さで心配になってくるのが熱中症や夏バテです。そんな中少しでも快適な夏を過ごせるよう、今回は植物の持つ効果についてご紹介します。
最近は植物が持つヒーリング効果が注目されているだけでなく、さらに植物を栽培すると、私たちの心や体にもさまざまな変化をもたらすことが知られるようになりました。1950年代からアメリカ合衆国や北欧から始まった園芸療法という言葉もあり、これは園芸活動をしながら心身のリハビリをしながら社会復帰を目指す療法のひとつです。日本には約20年前に紹介され、現在は医療や福祉の現場でも注目され、導入する場所が増えています。植物の栽培は、種を蒔くことから始まり植物と触れ合い育むことで、季節の変化を肌で感じ、美しい植物を見たときの喜びなど、五感を刺激する要素がたくさん含まれています。
植物の持つ効果は以下の6つに分けられます。
【1:装飾的効果】
目にも楽しく、心にも安らぎと癒しを与えてくれる植物はひとつあるだけでも部屋が華やかになります。植物は、部屋の空気を和らげてくれると同時に、部屋全体の雰囲気も自然な感じがするイメージにつくりあげてくれます。また、植物は真夏でも比較的涼しく過ごす事が出来るエコロジーなアイテムとしても役立ちます。窓際やベランダに植物を並べると、植物が日差しを遮ってくれるので、室温を下げる効果もあるのです。【2:リラックス・ストレス解消効果】
植物を見たり、植物が放出する成分(フィトンチッド)を嗅ぐ事で、副交感神経が刺激され、精神の安定や、解放感を与えたり、ストレス解消などの安らぎを与えられる、という事もわかってきました。最近ではフィトセラピー(植物療法)という、植物によって本来持っている自然治癒力を高めて体の不調や皮膚トラブルを解消し、予防やリハビリテーションに役立てていくようなセラピーも普及し、植物のリラクゼーション効果が注目されてきているようです。【3:疲労回復効果】
植物が放出するフィトンチッドには、リラクゼーション効果の他に、疲労緩和や回復効果があると言われており、触れると肝臓の活動を高める酵素の活性化、香りによる清涼効果、生理機能の促進、二日酔い・体調不良時の頭痛・吐き気の軽減など、数多くの効果を与えてくれる事がわかってきています。【4:マイナスイオン効果】
大気中にはプラスイオンとマイナスイオンは同じ位の量があって、バランスを保っています。現代社会ではAV機器やTV、携帯電話などの電磁波によりプラスイオンが増加しがちですが、植物が蒸散作用を行う際に発生するマイナスイオンがプラスイオンにくっついてプラスイオンを中和し、無害なものに変える効果がある事がわかりました。マイナスイオンには疲労回復や血圧降下などの効果があります。【5:空気浄化機能効果】
植物は光合成する事により、汚れた空気(二酸化炭素など)を吸い、綺麗な空気(酸素)を供給してくれています。また、シックハウス・シックビルディング症候群の主な原因とされている、ホルムアルデヒトなどの揮発性有害物質や、カビ、細菌、塵埃も吸収。さらに人体の健康に有効な成分、フィトンチッドを放出します。つまり植物は空気清浄機でも取り除けない有害物質も取り除き、清潔な室内環境を保ってくれるすごい存在なのです。植物のそういった特性を活かし、近年では植物の空気清浄効果を最大限に引き出す空気清浄機「Andrea」が商品化され、アメリカとヨーロッパで発売されています。【6:温度調節・乾燥防止効果】
植物の葉面から水分が蒸発する作用によって空中湿度が上昇し、室内の温熱快適性が向上します。葉面から放出される水分が、夏は気化する事により余分な熱を奪い気温上昇を抑え、冬は熱を放出し気温の低下を防ぐのに加え、湿度を乾燥状態の30%から快適な50~60%に上昇させる事もあります。しかも植物が放出する水分は完全な蒸留水なので、加湿器のように水道水に含まれる水垢などを振りまく事も無く、容器内のバクテリアの発生を危惧する事もありません。水やりや葉水を行うには時間を決めて、水やり・霧吹きすると、蒸散作用が活性化していき、更に蒸散値を高める事が出来ます。ここで少し余談ですが、植物に音楽を聴かせたり話しかけると、植物はより成長する、という話を聞いた事はありませんか?実はそんな植物が実際に存在するのです。
◯マイハギ(マメ科ヌスビトハギ属)
このマイハギは話しかけたり、音楽を聞かせたりすると、音に反応して小さい葉が円を描くように動きます。その姿がとても可愛らしくて、お世話をしてあげたくなってしまいますね。
植物は見えている所だけでなく、見えない所でも私たちを助けてくれています。そう考えてみるとお世話をするのも楽しくなりますね。これからまだ続く猛暑を、植物と一緒に乗り越えてみてはいかがでしょうか?