2013.10.01

箒の形の植物

秋も深まり始める10月。だんだんと景色も色づき始め、見ていて楽しい季節です。そんな色づく葉の中にススキやパンパスグラスのような箒の形の植物が目につく人も多いのでは?今回のコラムでは、そんな箒の形をしたススキとパンパスグラスについてご紹介します。

―ススキとパンパスグラス、どう違うの?

◯ススキ◯

ススキ

科属名:イネ科ススキ属
原産地:日本・朝鮮・中国・台湾・マレーシア
花言葉:「活力」「勢力」「心が通じる」

秋の七草のひとつ「尾花」として、万葉集にも多く詠み込まれているススキ。日本には全国に分布し、日当りの良い山野に生息しています。背丈は1〜2m程で、地下には短いながらしっかりとした地下茎があり、そこから多数の花茎を立てます。葉は細長くて堅く、縁が鋭く鉤状になっているため、注意が必要です。
ススキの最大の特徴である先端の20〜30cm程の花穂は夏から秋にかけてつけられ、初めの赤っぽい色をしていますが、種子に白い毛が生え、穂全体が白に変わります。この種子は風で飛ぶ事で子孫を残します。

◯シロガネヨシ(パンパスグラス)◯

シロガネヨシ

科属名:イネ科シロガネヨシ属
原産地:ブラジル・アルゼンチン・チリなどの南米大陸の草原
花言葉:「光輝」「人気」「雄大な愛」

パンパスグラスの名称で知られているシロガネヨシは、ふわふわした巨大な花穂が特徴です。高さ2〜3m程にまで成長し、細長い葉が根元から密生して伸びます。ススキ同様葉の縁が鋭いため、注意が必要です。
8月から10月にかけて、垂直に立ち上がった茎に長さ50〜70cm程の羽毛の様な花穂をつけます。色はややピングがかった白銀色で、花穂には雄株と雌株があり、雄株は細長いのに対し、雌株は幅広く綿毛を持ちます。

このようにススキとパンパスグラスのすぐ分かる違いはやはり背丈と花穂の見た目です。どちらかと言えばパンパスグラスが若干寒さには弱いですが、耐寒性があり、きわめて強い植物なので、一度植えると年々大株に茂っていきます。

>>それぞれの名前の由来

◯ススキ◯

ススキの呼び方の他に、「萱(カヤ)」「尾花(オバナ)」という呼び方があります。
ススキの「スス」は葉が真っ直ぐにスクスクと立つ事を表し、「キ」は芽が萌え出る意味の「萌(キ)」であると言われています。

◯シロガネヨシ(パンパスグラス)◯

英名からパンパスグラスと呼ばれるようになりました。
「南米の大草原(パンパス)」に「生える草(グラス)」という意味です。

—秋のフラワーアレンジメントとしても活躍

秋を表現するアクセントとしても用いられる事の多いススキとパンパスグラス。フラワーアレンジメントの中に取り入れる事で、より秋らしく可愛らしい雰囲気が増してくるようです。
ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?

フラワーアレンジメント フラワーアレンジメント フラワーアレンジメント

いかがでしたか?
今回は秋の風物詩とも言える箒の形の植物に注目してみました。これから冬にかけて段々と白いふわふわとした姿に変わっていく様子を見て季節の移り変わりを楽しんでみても良いかもしれませんね。
ぜひ歩く時は周りを見渡して秋の箒を探してみて下さい。