2014.02.01

つぶらな瞳が魅力的な“ニシアフリカトカゲモドキ”

寒さが本格的になってきました。今回のコラムではよくブログの中にも登場している、去年の夏我が家に迎え入れました“ニシアフリカトカゲモドキ”というトカゲについてご紹介します。

近年爬虫類のイベントが開催されたり、飼育している人の割合が増えていたり、犬猫と同等とまではいきませんが少しずつ身近な存在になってきている爬虫類。犬猫や小動物のように毛が生えていない分、アレルギーや喘息などを抱えている人には飼いやすいという点と、比較的人間に慣れやすい飼いやすい個体が増えたというのも理由の一つかもしれません。代表格として有名なのがフトアゴヒゲトカゲという種類で、ペットショップなどで見かけた事があるのではないでしょうか。飼いやすい爬虫類(トカゲ)の中の一つとして、今回ご紹介する“ニシアフリカトカゲモドキ”も含まれます。
ニシアフリカトカゲモドキと聞いて姿がパッと思い浮かぶ人は少ないかもしれませんね。同じ特徴を持つトカゲとして有名なのがヒョウモントカゲモドキです。こちらもよくペットショップにいるのを見かけるので、見た事がある人もいるのではないでしょうか。

ニシアフリカトカゲモドキとヒョウモントカゲモドキの特徴はほぼ同じですが、生息地は異なり、ニシアフリカトカゲモドキは名前の通りアフリカ大陸の西部に生息し、荒れ地や岩場、ある程度湿度のある草原や森林に生息しています。それに対しヒョウモントカゲモドキはアフガニスタン・イラン・インド北西部・パキスタンに生息し、荒れ地や草原の近くに生息しています。どちらも夜行性なので昼間は岩の隙間などに隠れて休んでいます
飼育環境においては、ニシアフリカトカゲモドキの方が多湿を好むので、湿度に気をつける点はありますが、さほど大きな違いはありません。餌も同じでコオロギやワーム、レッドローチやデュビアなどのゴキブリの仲間などを食べます。この種は完全肉食性なので、昆虫以外は食べないものと思ってください。

〈ニシアフリカトカゲモドキ〉

ニシアフリカトカゲモドキ

科属名:トカゲモドキ科ニシアフリカトカゲモドキ属
 分布:アフリカ大陸西部
 全長:20~25cm程度
 特徴:体色は褐色で、吻端から後頭部にかけてと胴体に濃褐色の斑紋が入り、太い尻尾を持ちます。黒めがちなつぶらな瞳と白いアイラインが魅力的。ヒョウモントカゲモドキよりも臆病で神経質な性格で、動きはおっとりとしています。

さて、この種類の名前の中にトカゲモドキという名前が入っていますが、トカゲモドキって何?トカゲモドキってトカゲとは違うの?という疑問が湧きますよね。さて、トカゲモドキとはどんな生き物なのでしょう?

トカゲモドキとは、「トカゲに似て非なるもの」という意味です。見た目はトカゲなのですが、トカゲモドキはトカゲとヤモリの中間の特徴を持っています。ではトカゲとヤモリは何が違うのか、ここで違いを箇条書きしてみたいと思います。

◯違いその1…目◯

トカゲの目には私たちと同じく瞼が有り瞬きをしますが、ヤモリは瞼が動かない為瞬きをしません。また、明るい場所での瞳の形も違います。ヤモリは針のような細長い形になり、トカゲは円形の瞳を持ちます。

◯違いその2…手足◯

ヤモリは手足に指下板という吸盤の一種を持っています。よくヤモリを見かけた時に壁などに貼り付いていますよね。これはその指下板のおかげです。トカゲにはその指下板がないので、貼り付く事が出来ません。

◯違いその3…尻尾◯

ヤモリは尻尾に栄養を蓄える習性があります。その為ヤモリの尻尾は太いです。トカゲにはこの特徴がないので、スラッと細い尻尾になっています。

以上がトカゲとヤモリの簡単な違いです。では次にトカゲモドキの特徴をご紹介します。

トカゲモドキの目はトカゲと同じく瞬きをしますが、瞳の形はヤモリと同じく細くなります。指下板は持たないので、壁などに貼り付く事は出来ません。また、尻尾はヤモリと同じく栄養を蓄える為太くなり、トカゲモドキの種類はこれが一番の特徴かもしれません。

尻尾

簡単ですが、以上がトカゲモドキの特徴です。

また、この種類に限らず、爬虫類は全般的に脱皮をして成長していきます。脱皮前になると体全体の色が変わり(ニシアフリカトカゲモドキの場合は全体的に白くなります。)、堅いものに体をこすりつけて全身の皮を剥がしていきます。脱皮後の皮はそのまま食べてしまう事ほとんどなので、いつの間にか脱皮が終わっていた、なんていう事も多いです。

脱皮

脱皮の時に心配となるのが脱皮不全(なんらかの理由で上手く脱皮が出来ず、皮が体にくっついたまま残ってしまう事。)です。湿度管理がきちんと出来ていないとこの状態になりやすいと言われる事もあるので、脱皮後はちゃんと全部剥けているかどうかチェックしてあげると良いですね。

―爬虫類と観葉植物

爬虫類を飼育する環境作りの中で、“ビバリウム”というものがあります。ビバリウムとは、飼育種が本来生活していた生息地を人工的に再現し飼育する事です。(陸の生物を育てる環境を“テラリウム”、水中の生物を育てる環境を“アクアリウム”、陸地と水場どちらもある環境を“アクアテラリウム”と言います。)そのレイアウトをするにあたり、観葉植物は流木や石などと合わせてよく利用されます。飼う生態によっていろいろと違った環境作りが出来るので、その違いを楽しむのもビバリウムの魅力かもしれません。
ただ、ニシアフリカトカゲモドキの飼育環境の場合、有機物を使うようなビバリウムだとダニなども好む環境なので、管理が少し難しく大変かもしれません…。

ニシアフリカトカゲモドキ

いかがでしたか?今回はニシアフリカトカゲモドキに注目してみました。普段ほとんどシェルターの中で寝ていますが、ごはんの時に餌を発見し、ハッとなってパクッと食べる姿はなんとも言えない可愛さなので、とても魅力的な個体です。もしペットショップに爬虫類コーナーがあったらぜひ探してみて下さい。