- 2014.10.01
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秋のBGM〜コオロギ編〜
今年は8月終わりから気温が下がり始め、また暑くなるのかな?と思っていましたが、そのまま秋に突入しました。気温が下がり出したその辺りから、先月のコラムでご紹介したセミとバトンタッチするかのように夜の虫の鳴き声が大きくなり、キンモクセイの香りと相まって秋本番!という感じです。虫の鳴き声の代表格と言えば、やはりコオロギで、現在家でもコオロギの飼育をしているのですが、毎夜大合唱をしています。今回のコラムではそんなコオロギと、秋の夜に聴こえてくる虫の鳴き声はどんな虫達の声なのかをご紹介したいと思います。
—虫の鳴き声の代表?
秋の夜の虫の代表格と言えばやはりコオロギでしょう。見た目が黒っぽく、少しゴキブリに似ていたりもする事から(実際は結構違う所があるのですが)嫌われがちですが、その鳴き声は昔の和歌にも詠まれるくらい、とても情緒があって美しいものです。コオロギが鳴くのは、前回のセミ同様、子孫繁栄の為メスを呼ぶ求愛行動なのですが、その鳴き方も1つではなく、いくつかの意味合いを持ち合わせているようです。この使い分けを行っているのはコオロギの中でもエンマコオロギという種類で、日本各地に生息している種類です。そんなエンマコオロギの鳴き方の違いはどういったものがあるのかご紹介します。
①おどし鳴き
先程コオロギが鳴くのは求愛行動であると言いましたが、こちらの場合は少し違うようです。おどし鳴きは主に雄同士の間で見られ、キリッキリッというように鋭く早い鳴き声で相手を威嚇します。②本鳴き
こちらの場合は、主に縄張りの主張であったり、メスを呼ぶ為の鳴き声です。コロコロリーというコオロギおなじみの鳴き声なので、よく耳にする声はこちらが多いかもしれませんね。③誘い鳴き
先程の本鳴きとは少し変わり、近くにメスが寄ってきた時の鳴き声です。本鳴きよりもゆるやかな鳴き声でメスを誘います。ただ鳴いてメスを呼んでいるだけかと思いきや、いろいろと使い分けているのですね。これまで鳴き声について書いてきましたが、ではその鳴き声、どうやって出しているかご存知ですか?コオロギの体には左羽の端に盛り上がった部分があり、“摩擦器”と呼ばれています。こちらを“ヤスリ器”とこすり合わせる事で羽を震わせ音を出してるのです。
また、美しい音を出すのに羽の先にある丸い形をした“発音鏡”という器官を使って音を増幅させていると言われています。そんなコオロギ、エンマコオロギは出ましたが他にはどんな種類がいるのか、日本に生息している種類を簡単にご紹介しましょう。
◯エンマコオロギ◯
日本各地に生息。黒褐色の大きめなコオロギで、顔つきがいかめしい事から“閻魔”という名がついたようです。◯ミツカドコオロギ◯
本州〜九州にかけて生息。暗灰褐色の中型のコオロギで、オスの頭部は前が平らで両側はツノ状に突き出しています。ジッジッジッジッと鳴きます。◯ツヅレサセコオロギ◯
ツヅレサセは“綴刺せ”と書き、この虫が鳴き出すと寒い季節が近づいて来る為、この声を聞いた昔の人が「そろそろ冬着の縫い物をしないと。」と思った事がきっかけだそうです。リィリィリィリィ…という鳴き方をします。◯ハラオカメコオロギ◯
本州・四国・九州の生息。オスは顔面が平たく、複眼の下で幅広くなっています。前翅に光沢があり、リッリッリッリッと4、5声ずつ区切って鳴きますが、ミツカドコオロギ程鋭い鳴き方ではありません。◯フタホシコオロギ◯
沖縄県に生息。冒頭に飼育していると書いていたコオロギはこちらの種類のコオロギになります。爬虫類や両生類などの餌として流通している事も多いです。活の他にも冷凍だったりドライだったりも販売されています。これと同じく流通している種類にヨーロッパイエココオロギという種類もあります。こちらの方がフタホシよりも小ぶりで、色も薄茶色なので、ぱっと見た感じではあまりコオロギっぽくないかもしれませんね。栄養価としてはフタホシの方が多少高く、鳴き声もフタホシの方がにぎやかです。このコオロギ、もし生態にあげる場合は頭を取らないとその強靭な顎で生態のお腹をかじって傷つける事があるので、注意が必要です。(特に丸飲みする場合は要注意)いかがでしたか?今回は秋の虫コオロギに注目してみました。窓を開けると、秋のBGMとして良い音色を奏でてくれるコオロギは、聴くだけで日頃の疲れを癒してくれる気がします。昔鈴虫も飼っていたのですが、最初は20匹くらいだったのがあれよあれよと繁殖し、200とか300匹くらいに増えたのですが毎日大合唱していたのをふと思い出しました。(そのくらいの数になると情緒は薄れる気がします…)数が多過ぎるのも考えものですが、近くで鳴く姿を観察してみるのもなかなかに面白いので、機会があったらぜひ見てみてはいかがでしょうか。次回のコラムでは、コオロギだけでなく、先程話題に出しました鈴虫含め、秋の虫について書こうと思っているのでお楽しみに。
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