- 2025.02.01
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炒り豆から芽は出ない
皆様は「鬼と入り豆」という民話をご存じですか?
今月、二月のコラムでは節分にちなんでこの民話をご紹介します。
「昔々小さな村が酷い干ばつで飢餓に襲われていました。ある日、男が『雨さえ降れば』と呟くと何処からか鬼が現れ『お前の娘を嫁にくれたら雨を降らせてやる』と言いました。
その一言に男は思わず頷くと『約束だ』と言って何処かへ行ってしまいました。その日の夜鬼が約束した通り滝の様に雨が降りました。村人も作物も元気になった頃、鬼が現れ男は泣く泣く鬼に自分の娘を差し出しました。 住処につくと鬼は娘の為沢山の木の実や果物をとってきて娘をとても大切にしました。それから数か月が経った頃、娘は逃げ出し家族の元へ戻ることが出来ました。最初は喜んでいた家族も鬼が娘を取り返しに来ることに怯えだしました。
しかし男の妻が考えがあると豆を炒りだしたのです。そうして鬼が娘を取り返しに来た時、炒った豆を渡してこう言いました。
『この豆から芽が出たら娘を帰す』と。それを聞いた鬼は急いで家に帰り豆を植えそれから毎日水をやり続けましたが、何度春が過ぎても芽は出ません。
鬼は待ちきれず男のもとへ行き娘を取り返そうとしましたが 、まだ芽が出ていないならば駄目だ、と鬼に炒った豆を投げつけました。
仕方なく鬼は住処に帰り今も娘の為に芽が出るまで水をやり続けています。鬼を追い出した家族は『炒った豆から芽はでない、これで鬼はもうこない』と喜びました。
それからその村では『鬼は外』と言って炒った豆を外に投げるようになりました。
というお話なのですがなんだか鬼も可哀そうですよね
幼いころから、鬼に豆を投げるのは物理的に効く攻撃だと思っていたのですが、精神攻撃だったのですね、、、
今年の節分からは良い鬼にやさしく「福は内」「良い鬼なら内」「悪い鬼は外」で行こうと思います!
皆様も今年から鬼にやさしい節分にしてみるのもはいかがですか?
今月のコラムはここまでです。 寒い日が続きますが、お体にはお気を付けください。