2017.04.01

「優美な女性」

プラスチックな日

私は半ば諦めていた。時間は過ぎている。
「やっぱりか。」
綺麗に片付いたその場所を見てごみ袋を持った左手が迷う。
家まで戻るか…。こっそり置いてしまおうか…。
「もう遅いよ。もう少し早く出さないと。」
「あぁ、そうですよね。すいません。」やっぱり持って帰ろう。
「私が預かってあげようか?」ん?青天の霹靂である。
「え?でも…。」
「来週出しといてあげるよ。」
「すいません。ありがとうございます!」
私は何度も頭を下げた。


赤の他人に世話をやいてくれる人がいる。助けてくれる人がいる。
自分の生活で精いっぱいで無機質になりがちな日々の中、稀にこういう事がある。
その度に自責と、こうありたいものだという決意をさせてくれる。(行動に移さなければ…。)

10年前

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先の話ともう一つ、身が引き締まるときがある。
それは散り際の桜をみたとき。

18年間親元でぬくぬく生きてきた私にとって、一人都会で見る桜は優しくもあり、切なくもあった。
「これからは自分の力でがんばれ。」すぐに散ってしまった桜の花びらはそう言っているように感じたのを覚えている。
10年近くたった今でも舞う花びらを見ながらそんなことを思い出す。
桜には人の心を動かす力があるものだ。

花言葉

私も桜のように人の心を動かすような優しさを持った人間でありたい。
桜の花言葉は「優美な女性」
(桜には感傷的な文章を書かせる力もあるようだ…。)




すいません。綺麗なお姉さんは登場しませんでした。