2009.11.01

「植物の英名」

 このコラムで今までに何度か書いた事があると思いますが、今回は植物の英名をいくつか挙げてみます。

 まずは既に載せたことのある、
・タビビトノキ → traveller’s tree(旅人の木)
・アガベ    → century plants(世紀の植物)
等があります。日本語(英語)をそのまま直訳したものや、日本語とは全く違い花の形状や咲き方などを表したものもあります。上記2つの所以については、過去のコラムをご覧ください。

 その他、こんな英名もあります。
・ヒマワリ  → sunflower (太陽の花)
・ツクシ   → horsetail  (馬の尻尾)
・アサガオ  → morning glory(朝の栄光)
・キキョウ  → baloon flower(風船のような花) ←蕾が風船のように見える
このあたりは比較的、英語を見てすぐに連想しやすいものだと思います。ツクシはスギナの胞子茎を指し植物名ではありませんが、ツクシの方が馴染みがあるかもしれません。ツクシは漢字で書くと「土筆」と書きます。これもまた見た目で表現されている表記です。

 以下は名前を聞くと納得できますが、聞いてすぐにはピンとは来ないかもしれません。
・カスミソウ → baby’s breath(赤ちゃんの吐息)
・ワスレナグサ  → forget-me-not(私を忘れないで)
・オシロイバナ  → four-o’clock(4時)
・サンショウ   → Japanese pepper(日本の胡椒)
ワスレナグサはヨーロッパ原産の花で、ドイツの伝説に由来する名前ですが、ドイツ語で「Vergissmeinnicht(私の事を忘れないで)」を英語に直訳したものです。オシロイバナは4時頃に花が咲くことから、英語にするとずばり「4時」となります。もっとも、花が咲く時間は時期や地域、環境によって違いがあるので「夕方」と思っていただければと思います。

 わたくし達が普段目にする植物の名前は和名(日本語名)で、商品名としてひらがなや漢字を見る事もありますが表記はカタカナ表記が原則となっています。例えば、「幸福の木」は商品名で、正式な和名は「ドラセナ・マッサンゲアナ」です。上記の和名「タビビトノキ」も、「旅人の木」ではありません。

 当然のことながら和名は日本でしか通用しません。今回ご紹介した英名も、英語圏でしか通用しません。世界共通の植物名は学名と言われ、ラテン語で表記されています。ドラセナ・マッサンゲアナを例に挙げると、学名では「Dracaena fragrans `Massangeana`」となります。タビビトノキは「Ravenala madagascariensis」です。

 国や地域によって、同じ植物でも様々な名前・呼び方があります。ひとつの植物の別名・英名・学名等を覚えると、違った角度からその植物を知ることができておもしろいかもしれません。

カスミソウ baby’s breath(赤ちゃんの吐息)キキョウ baloon flower(風船のような花)

ドラセナ・マッサンゲアナ Dracaena fragrans`Massangeana`ワスレナグサ forget-me-not(私を忘れないで)