2013.02.01

“豆まき”のお供に“植物”を

まだまだ寒い日が続き、冬が顔を覗かせている2月。そして2月3日は節分、節分には同時に厄除けも行うそうです。厄除けというと、植物が厄除けに良い、というのはよく知られていますが、どのような植物がその効果を発揮するのでしょう?今回はそんな厄除け作用のある植物をご紹介します。

―1年のはじまり、立春

元々旧暦では自然の景色の変化から季節の移り変わりを把握する“自然暦”を使用していた為、1年のはじまりは立春からと考えられていました。飛鳥時代に中国から二十四節気(節分を基準に1年を24等分して約15日ごとに分けた季節の事。1ヶ月の前半の事を「節」、後半の事を「中」と言います。その区分点となる季節に、春・夏・秋・冬の名称が付けられました。)が伝えられると、冬至が年の分割の起点と考えられるようになり、立春を1年のはじめとして暦が作成されるようになりました。
節分は、その1年の変わり目の前日。季節の変わり目には邪気が生じると古くから考えられており、その邪気を追い払う為の悪霊払い行事、というわけです。節分の行事は宮中の年中行事となっていました。平安時代中期に編纂された格式の1つ、「延喜式」では、「土牛童子」と呼ばれる彩色した土で作成した牛と童子の人形を大内裏の各門に飾っていたそうです。この時代邪気や厄はとても恐れられていたのですね。

—厄除けには植物を

厄除け効果は動物の形を模したものであったり、様々なものにありますが、植物の場合は生きていないものでないとその効果は発揮されないと言われています。成長している木自体が厄除けには適しているというわけです。ではどのような植物が厄除けに良いと言われているのでしょうか?

◯モモ◯

モモ

科属名;バラ科モモ属
原産地:中国

モモの木には体中の悪いものを取り除く力があると言われています。昔からモモには霊力があると信じられていたそうで、邪気である厄を祓う為に、モモを使った話「桃太郎」が生まれたと言われています。

◯ナンテン◯

ナンテン

科属名:メギ科ナンテン属
原産地;中国

「ナン(難)をテン(転)ずる」という言い回しが有名な植物です。鬼門や裏鬼門に植えると良いという俗信があります。フクジュソウと合わせて「災い転じて福と成す」と言われる事も。

◯ツバキ◯

ツバキ

科属名:ツバキ科ツバキ属
原産地:日本、中国

前回のコラムでもご紹介しましたが、ツバキは昔から不老長寿・魔除け・破邪顕正・病気平癒・和合円満などの呪力があると信じられていました。結界樹として1番効果を持つ植物とも言われています。

◯キンモクセイ◯

キンモクセイ

科属名:モクセイ科モクセイ属
原産地:中国南部

強い芳香が特徴のキンモクセイ。その独特な芳香がお香と同じ効力を発揮して邪気を祓います。こちらも鬼門に植えると邪気が寄ってこないと言われています。

◯スギやマツなどの常緑樹◯

スギ

1年中緑である事から生命力の象徴として考えられています。御神木と言われている木の多くは常緑樹や針葉樹なのはこの意味を内包しているからなのでしょうか。

いかがでしたか?厄除け効果のある植物、意外とたくさんありますね。玄関先に観葉植物を置いたりするのも良いそうです。ただ、その場合は枯れたものや落ち葉などは綺麗にしてあげる必要があるみたいですが…。節分の豆まきと一緒に植物で鬼退治、なんていうのも良いかもしれないですね。