2021.08.01

オリンピックの冠

オリンピックがただいま開催中ですが、オリンピックに関係する植物と聞いて何を思い浮かべますか?
私はメダリストが頭にのせている、葉っぱで作られた冠です。
葉っぱで作られた冠、その葉っぱの正体はオリーブです。
今回はそんなオリーブについてご紹介いたします。

冠

オリーブの花言葉

「平和」

一度は聞いたことある、旧約聖書に記された「ノアの方舟」に由来します。
神は人々の悪行に怒り、人間を滅ぼすとノアに告げます。神が起こした大洪水から、ノアの箱舟で逃れる際に、船にいた鳩が地上からオリーブの枝を持ち帰ったことがきっかけで、洪水が収まったという話があります。このエピソードが「平和」の由来とされています。

「知恵」「勝利」

ギリシャ神話に由来します。ギリシャの神であるアテナとポセイドンは、ひとつの都市の支配権を争っていました。争いを知った全知全能の神ゼウスは、「最も人々の役に立つ贈りものをした方に覇権を渡す」と伝えます。
ポセイドンは戦の役に立つとして、人々に「馬」を与え、アテナは、その果実が食事や薬の材料として人々を救う「オリーブ」を植えました。人々はアテナの贈り物を支持し、アテナに都市の支配権が与えられたのです。
アテナが人々に贈ったオリーブは、さまざまな用途に使える「知恵」の詰まった贈り物。
これらに話にもとづいて、オリーブは知恵の象徴とされました。

そしてアテナに与えられた都市は、現在のアテネと名付けられ、そこで行われた古代ギリシャ神話の最高神ゼウスをはじめとする多くの神々を崇めるためのスポーツや芸術のお祭りがオリンピックの起源で、その時の勝利者にオリーブの木から作られた冠が授けられました。
オリーブの木を「勝利」の象徴として用いる場面も多く、現在もオリンピックなどのメダリストに贈られるオリーブ冠の由来です。

そんなオリーブ、実は食用に、木は生活道具に、油は現代も愛用されているオリーブオイル、食用としてはもちろん保存料や化粧品、燃料としても使われてます。
長い歴史の中、人々の生活の一部となった特別な木「オリーブ」
常緑性で乾燥に強く、比較的管理も簡単なので適切にお手入れすれば、地植えだけでなく鉢植えでも楽しめます。
このオリンピックをきっかけにシンボルツリーなどとして育ててみてはいかがでしょうか?

オリーブ