2010.01.01

「松竹梅」

 昨年、弊社社員のブログにて少々触れられていたのですが、「松・竹・梅」について詳しくご説明いたします。

 正月の門松にも使用され、おめでたい物の象徴として「松竹梅」という言葉があります。しかしこれは日本での解釈で、元々は中国の画材の一つとして好まれていた「松竹梅」を歳寒三友(さいかんのさんゆう)と呼び、寒さに負けないものの象徴として描かれていたとの事です。

 それぞれの意味としては、
マツ「松」・・・常緑樹で厳しい寒さに耐え、不老長寿を示す。また、葉は落ちても2本離れない事から夫婦愛の象徴としてもおめでたいものの例えとされている。

タケ「竹」・・・雪が降り積もっても折れないしなやかさを持ち、「力強い生命力」を示す。また、筍(タケノコ)から竹への成長の勢いが生命繁栄の象徴や若さ・強さを表している。

ウメ「梅」・・・冬に花を咲かす「生命力」を示す。

 ちなみに、寿司などの品物のランクとして松竹梅を使用する事が多いですが、「松竹梅」の言葉そのものには上下関係はなく、松=特上・梅=並とは限らないそうです。松竹梅という順番で上中下になっただけとの事です。

 お店によっては「梅」が一番高級な場合もあるので、金額を調べずに「梅」を注文した後にびっくり、なんて事もあるかもしれませんね。

 松竹梅をはじめとして、縁起が良いものとして年の初めに目にする物が他にもあります。
「ナンテン(南天)」・・・難(ナン)転(テン)ずる。
「ダイダイ(橙)」・・・実を付けた後、放っておくと3年~5年ほど落果せず、何代ものダイダイの実が一本の木になる様子から家系代々の長寿・子孫繁栄を願ってきたとされる。
「ウラジロ(裏白)」・・・シダの仲間で葉の表は緑、いことから、心に裏がない・清廉潔白を願い、白髪になるまでの長寿を願う物とされる。

 このように、縁起の良い物というのは語呂合わせや、その物の特性を表している物が多いです。また、縁起物とされる物には植物が多く、古くから人間は自然と共存しているものだという事を表しているようにも思えます
ナンテン(南天)ダイダイ(橙)ウラジロ(裏白)